株式会社マツ勘社屋(倉庫・作業棟)リノベーション
伝統工芸の生産環境を居ながら工事によってアップデートする

福井県小浜市の若狭塗箸メーカーの創業100周年を契機とした倉庫・作業場リノベーションプロジェクト。
工事期間中も生産を止めないことを前提とし、エリアごとに改修と引っ越しを繰り返す「居ながら工事」によって計画を進めた。
ヒアリングを通じて、湿気や隙間風による資材への影響や、作業環境としての温熱環境に課題があることが明らかとなった。そこで、高気密・高断熱化、空調設備の更新、全熱交換機の設置を行い、倉庫および作業場として適切な温熱環境を整備した。
従来の一室空間が持つ開放性を継承しながら、空調効率の向上を図るため、断熱性に優れたポリカーボネートによって空間を緩やかに仕切った。視線や光を通すことで、人の気配を感じながら働ける環境を実現するとともに、既存トップライトを包み込む階段空間は、光を拡散し、作業場へ自然光を届ける「光井戸」として機能している。
また、ライン照明を計画的に配置することで均一な照度を確保し、漆塗箸の検品精度を高めるとともに、収納計画や動線を見直すことで、生産性と作業性の向上を図った。
伝統工芸を支えるものは、職人の技術だけではなく、その技術を支える環境でもある。快適で効率的な生産環境を整えることで、若狭塗箸のものづくりが持続的に発展していく基盤となることを目指した。












